売り出してしばらくたち、担当者から「市況が厳しいので値下げを」と言われた。そうかもしれないけれど、いくら下げるのか、なぜ今なのかは知っておきたいところです。「ニュースで価格が下がった」だけで決めず、地域の資料と自分の販売状況を並べてみましょう。
近畿レインズは10月9日、2026年9月度の市況を公表しました。対象は近畿圏2府4県のレインズ登録・成約データで、全国の全取引を表す数字ではありません。この記事では、月報を担当者との具体的な会話に使います。[2]

「10月号」でも、取引の対象月は9月
公式の月報バックナンバーを開き、「2026年10月号・No.166」のダイジェストを選びます。表紙に「2026年9月度」とあることを確認してください。公表月とデータの月は違います。細かい表を調べたい場合は、同じ号の集計表PDFやExcelへ進めます。[1]
PDFの目次から、中古マンションならエリア別の成約動向、中古戸建てなら戸建てのページへ。別の地域で売る場合はその地域の指定流通機構の資料を使い、近畿の数字を自宅に移し替えないようにします。
近畿全体の下落と、自分の地域の動きは違う
9月の近畿圏中古マンションの成約㎡単価は46.24万円で、前年同月比4.8%下落。一方、エリア別では大阪市の成約㎡単価は前年同月比1.3%上昇、京都市は14.4%下落と、動きが分かれています。これはそれぞれの月に成約した物件群の平均で、同じ部屋の価格変化ではありません。[2]
担当者には、自宅のエリア、築年、広さに近い事例を示してもらいます。「平均が4.8%下がったから、あなたの部屋も4.8%値下げ」と機械的には結び付けられません。
在庫の価格と、成約の価格を混ぜない
月報には新規登録、在庫、成約の項目があります。売りに出ている物件と実際に成約した物件では、集計対象が違います。在庫と成約の平均価格の差は、同じ物件がどれだけ値引きされたかを示す数字ではありません。
比較するなら、まず項目、地域、物件種別、対象月をそろえます。条件がそろわない数字は、値下げ幅を計算する材料ではなく、「詳しく聞くべきこと」を見つける材料にとどめましょう。
自分の広告はどう動いたか、担当者へ3つ聞く
- 近い成約はどれですか。地域、築年、面積、成約時期と自宅との差を説明してもらう。
- 今の価格で、何が起きていますか。掲載先、問い合わせ・内覧の件数、買主の具体的な反応を、分かる範囲で前の期間と比べてもらう。
- 価格を変えたら、いつ何を見て再判断しますか。新しい価格の根拠と、広告や写真の変更、次に状況を確認する日をそろえる。
ここは統計の結論ではなく、編集部が提案する打ち合わせの項目です。問い合わせがない場合でも、価格だけが原因と決めつけず、写真や情報の不足、内覧できる日時なども併せて点検します。
専任・専属専任なら、売主向け確認画面も見る
レインズの売主向け案内によると、売買の専任媒介・専属専任媒介では、登録証明書に記載された情報を使い、売主専用画面で登録内容や取引状況を確認できます。一般媒介や賃貸を同じ対象と考えないでください。ID・パスワードは公開せず、分からなければ契約した会社に証明書と確認方法を聞きます。[3]
値下げ前の打ち合わせメモ(編集部作成)
資料の公表日・対象月・地域・種別:__
近い成約事例と自宅との差:__
直近の問い合わせ・内覧・買主の反応:__
登録内容・取引状況で確認したい点:__
変更する価格と根拠:__/同時に変える広告情報:__
次に状況を確認する日:__
価格を動かすこと自体が悪いわけではありません。納得できる根拠と、変更後に確かめることがそろえば、ただ待つより判断を進めやすくなります。
冒頭の手順の図解を大きく見る(条件と詳しい操作は本文を参照)


