近所に売地の看板が立った。「うちの土地も、このくらい?」と思っても、看板の価格は売主の希望です。知りたいのは、条件の近い土地が実際にいくらで取引されたか。その入り口に使えるのが、国土交通省の不動産情報ライブラリです。
ここでは、土地だけの取引を検索し、比較に使えそうな3件を相談メモに残すところまで進めます。閲覧には料金も会員登録も不要です。地価公示を読む既存記事とは違い、個々の取引を探す使い方です。

まず開くのは、地価公示ではなく取引価格の検索画面
「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」を開きます。住所は都道府県、市区町村、必要なら地区の順で選択。次に種類を「土地」にします。「土地と建物」には建物の価格も含まれるので、土地だけの相場と混ぜないようにしましょう。[1]
価格情報区分には国交省のアンケートによる取引価格と、レインズ由来の成約価格があります。ただし、「土地」単独の検索は不動産取引価格情報を使います。レインズ由来の成約価格は戸建てと中古マンション等が対象です。
条件は絞りすぎず、一覧を出してから近づける
- 種類を「土地」、時期を画面で選べる直近1~2年程度にする。
- 「一覧表示」を押し、所在地・面積・取引総額・㎡単価・前面道路・取引時期を読む。
- 少なければ地区を外すか期間を広げ、多ければ近い地区に絞る。
- 気になる行は詳細表示で、形状や取引の事情も確かめる。
10月19日の操作確認では、東京都杉並区で「土地」を選び、一覧と詳細項目を表示できました。これは画面の確認用に選んだ地域です。最新として選択できたのは2026年第1四半期でした。更新には時間差があるため、閲覧日と取引時期を別に記録します。操作で迷ったら公式マニュアルへ。[2]
「同じ町」より、道路と面積が近い3件を選ぶ
駅が同じでも、大通り沿いの広い土地と、細い私道の奥の小さな土地は単純に比べられません。まず用途地域、駅からの距離、面積、前面道路の幅や種類が近いものを候補にします。合わない条件は消さずに「うちは道路が狭い」のように書いておきます。
公表データは物件を特定しにくいよう加工され、価格も丸められています。全売買を網羅する台帳ではありません。制度と用語も確認し、「隣の家がこの値段で売れた」と特定する使い方は避けましょう。[3]
㎡単価を自宅の面積に掛けても、売値は決まらない
たとえば、比較用の仮の取引が100㎡・2,000万円なら20万円/㎡です。自宅が120㎡だから2,400万円、と置くのは会話の出発点にはなっても査定の結論にはなりません。形状、接道、解体の要否など、自宅側の条件を別に評価する必要があります。
金額が大きいと、つい一番高い事例に目が行きます。そこは少しだけ冷静に。「自分に都合がよい3件」より「自分の土地に近い3件」が役に立ちます。
調べ終えたら、このメモを査定担当者へ
比較メモ(編集部作成・コピーして使えます)
検索日:__/地域・期間:__
事例A:取引時期__、面積__㎡、総額__、道路__
事例B:取引時期__、面積__㎡、総額__、道路__
事例C:取引時期__、面積__㎡、総額__、道路__
自宅との主な違い:__
質問:「この3件と比べて、私の土地の査定を上げ下げする条件は何ですか?」
一致する事例がなければ「該当なし」も立派な結果です。無理に平均を作らず、担当者に別の取引事例と調整理由を示してもらいましょう。
冒頭の手順の図解を大きく見る(条件と詳しい操作は本文を参照)



