契約・引き渡し

権利証が見当たらない。売買契約の前に司法書士へ伝える4つのこと

権利証をなくしても、別の本人確認の方法で登記する制度があります。決済日、名義、本人確認書類、実印の状況を、早めに司法書士へ伝えましょう。

古い書類の束が入った半開きの書類引き出し
架空のイメージです。実在の物件・人物・施設・アプリケーションとは関係ありません。

買主が見つかりそうなので、家の書類を探し始めた。固定資産税の封筒はあるのに、権利証がない。引き出しを何度も開けているうちに、「これでは売れないのでは」と心配になります。まずは、探す作業と、売却の段取りを確認する作業を並行して進めましょう。

日本司法書士会連合会は、権利証や登記識別情報を紛失しても、別の本人確認手段で登記できる制度があると案内しています。見つかるまで相談を待つ必要はありません。ただし、実際の決済に使う方法と必要な日数は、司法書士や関係者との調整が必要です。[1]

ない物を整理。司法書士へ相談。決済日を調整。本文で各手順と条件を説明しています。
架空のイメージです。実在の物件・人物・施設・アプリケーションとは関係ありません。

なくしたのが、誰の、どの不動産の書類かを確認する

古い書面の登記済証が、いわゆる権利証です。これに代わる制度として、12桁の符号で本人確認に使う登記識別情報があります。土地と建物、共有者が複数いる場合など、確認する対象が一つとは限りません。

親名義の古い権利証を探しているのか、自分が相続登記した後の情報がないのかでも、相談の内容が変わります。相続登記では、亡くなった人の登記識別情報が原則不要とされる一方、売却の移転登記は別の手続です。いまの登記名義を確認して伝えてください。[1]

紛失したから、再発行の申請をすれば済むわけではない

紛失した権利証の再発行や登記識別情報の再通知はできません。ただし、紙や情報がなくなったことと、所有権を失うことは同じではありません。政府広報の被災者向け案内も、この登記制度の一般的な点を説明しています。災害時の特別な取扱いを、通常の売却へそのまま当てはめるものではありません。[2]

「再発行できるまで決済を延期する」ではなく、「紛失した状態で使える方法を確認する」と相談します。盗難が疑われるなど不正利用が心配な場合には、登記識別情報の失効申出などについて、法務局や司法書士へ早めに相談してください。

別の本人確認方法と、決済に使える方法を分けて聞く

日司連は、登記官による事前通知や、資格者代理人による本人確認情報の提供を案内しています。制度があることと、予定した日に代金の支払い・鍵の引渡しまで滞りなく行えることは、分けて確認します。[1]

売却を担当する司法書士が決まっていれば、まずその人へ連絡します。買主や金融機関と、どの確認を、いつまでに済ませる必要があるのかを調整してもらいましょう。費用は依頼内容や事務所によって変わるため、本人確認に関する報酬、ほかの登記費用、実費を分けた見積りを頼みます。

最初の連絡では、この4つを伝える

  1. 契約・決済の予定。買主が決まっているか、契約日・決済日を決めているか。
  2. 登記名義と住所。土地・建物・共有の別、名義人、登記上と現在の住所・氏名の違い。
  3. 本人確認書類の状況。手元にある書類と有効期限。必要な種類は依頼先に確認する。
  4. 実印なども使えるか。実印、印鑑登録証明書を準備できるか、ほかにも紛失物があるか。

これは編集部が整理した初回相談の項目で、必要書類の確定リストではありません。共有者が遠方にいる、本人が出向ける日が限られるといった事情も添えます。「ない物」だけでなく、確認に使えそうな物と時間の制約を伝えることが大切です。

相談先が決まっていなければ、地域の窓口から

日司連の司法書士総合相談センター一覧で、都道府県を選び、地域の相談窓口を探せます。相談の予約方法、費用、持参資料、個別の登記業務を依頼できるかは、窓口ごとの案内で確かめます。[3]

紛失時の連絡メモ(編集部作成)

物件所在地・地番/家屋番号:__
現在の名義人・共有者/住所等の変更:__
見当たらない書類・情報/手元にあるもの:__
契約日・決済予定日/本人が対応できる日:__
質問:利用する本人確認方法、必要な面談・書類、費用と所要日数、買主等との調整事項は?

紛失が分かった段階で連絡し、決済日を確定する前に必要な工程を確かめます。引き出しの捜索は続けても、相談まで迷子にしない。手続の予定を先に見える形にしておきましょう。

冒頭の手順の図解を大きく見る(条件と詳しい操作は本文を参照)

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出典・参考資料

  1. 日本司法書士会連合会・権利証のことを聞きたい(公表・更新日の表示なし)
  2. 政府広報・土地建物の権利証を紛失しても権利を失うことはありません(公表 2024-01-24)
  3. 日本司法書士会連合会・司法書士総合相談センター一覧(公表・更新日の表示なし)

情報確認日:2026年10月20日。相談文・メモ・比較の観点は、公開資料を踏まえて編集部が作成しました。サービスの対応地域、料金、募集状況は、利用時の公式案内でも確認してください。

この記事について

一般的な売却の考え方を紹介しています。個別の費用や契約条件は、依頼先の不動産会社などに確認してください。