家の売却が済んだ後、知らない会社から「マイナンバーをご提出ください」という封筒が届いた。契約した買主と社名が違い、少し気になる。個人番号の話ですから、すぐに送り返すのも、全部おかしいと決めるのも、その前に一呼吸置きたいところです。
買主が税務署へ出す支払調書のために、売主のマイナンバーが必要になる取引があります。収集を外部へ委託することも認められています。まず確認するのは、「誰が、どの税務手続のために、誰へ収集を頼んでいるか」です。[1]

すべての家の売買で、一律に必要になるわけではない
国税庁のNo.7442によると、「不動産等の譲受けの対価の支払調書」を提出するのは、代金を支払う法人と、一定の個人不動産業者です。一般の個人が自宅用に買う取引を、これと一律に扱うものではありません。[2]
通常の提出範囲は、同じ人へのその年の支払合計が100万円を超えるものです。税額の区分表示や公共事業等には別の取扱いもあります。自分で例外まで判断するより、依頼者に買主の立場、書類の正式名称、提出が必要になる理由を示してもらいましょう。
見慣れない委託先なら、知っている契約先へ確認する
国税庁の不動産売主向け案内は、番号の収集を委託された業者から依頼がある場合も、取引先へ確認するよう促しています。知らない社名だけで、不正な依頼だとは断定できません。[1]
届いたメールや封筒の連絡先だけに頼らず、契約書やこれまでの連絡記録にある買主の窓口へ確かめます。「この会社へ収集を委託しましたか」「依頼書の送付方法は合っていますか」と、会社名と依頼日を伝えます。仲介担当者にも、買主側の確認先を聞けます。
目的と提出先を、確認票に書き出す
確認する項目は、買主名、収集する会社名と担当窓口、利用する支払調書の名称、提出方法、期限です。委託先がいるなら、誰の依頼で収集するのかもそろえます。「不動産の手続です」だけで済ませず、今回の売買との関係を説明してもらいましょう。
税務署へ出す調書には番号を記載しますが、売主へその写しを渡す場合には番号を記載できない、と国税庁は案内しています。番号が入っているから何にでも転記してよい書類ではありません。提出後にどのような確認書類を受け取るかも、必要なら聞いておきます。[2]
本人確認書類と送り方は、現在の案内で確認する
番号の提出と一緒に本人確認を求められる場合は、依頼元がいま案内する書類と提出方法を確認します。国税庁の不動産向けリーフレットは2018年版なので、そこに載る古い本人確認書類の例を、そのまま現在の準備リストにするのは避けましょう。[1]
専用の提出ページ、指定の郵送など、用意された方法のどれを利用できるかを聞きます。メール添付を求められて気になる、期限までに用意できない、といった事情も、確認できた依頼元へ相談できます。提出方法が確かめられる前に、とりあえず写真を送る必要はありません。
番号を書かずに使う、依頼元の確認メモ
買主へ聞く文面(編集部作成)
「__の売買について、__社からマイナンバーの収集依頼が届きました。御社から委託した依頼でしょうか。必要となる支払調書の名称と理由、委託先名、現在有効な本人確認書類、利用できる提出方法と期限を教えてください。」
確認日・確認した相手:__
回答と指定された提出方法:__
このメモは依頼の真偽と目的を確かめるためのものです。番号そのものを書き込んだり、このサイトに送ったりする必要はありません。税務書類の対象か分からなければ、国税庁の相談窓口で支払調書について確認できます。[3]
確認した相手・目的・送り方がそろってから、案内された手続に進みます。大事な番号だからこそ、「渡すか、渡さないか」の前に、「何のために」を聞く順番にしましょう。
冒頭の手順の図解を大きく見る(条件と詳しい操作は本文を参照)


