売る前に家の状態を調べておきたい。検索すると「住宅診断」「ホームインスペクション」「建物状況調査」と、似た名前が並びます。同じ料金でも、調べる範囲や使える場面が違えば比較になりません。
最初に決めたいのは、売買の説明に使う建物状況調査なのか、雨漏りの原因調査なのか、保険や融資の検査も必要なのかです。目的が決まれば、依頼先の検索条件も具体的になります。

売買の建物状況調査なら、既存住宅状況調査技術者を探す
国土交通省の制度案内では、登録講習を修了した建築士が、国の定める方法基準に沿って調査する仕組みを説明しています。他人の求めに応じ報酬を得て行う場合は、建築士事務所の登録も必要です。資格名と契約する事務所名を合わせて確認しましょう。[1]
仲介会社から紹介された場合も、「誰が、どの調査を、いくらで行うのか」は売主側で聞いて構いません。紹介の有無だけを良し悪しの判断材料にする必要はありません。
検索サイトで、調査種別と物件の地域を選ぶ
既存住宅状況調査技術者検索サイトでは、調査・検査種別と対応可能エリアを選べます。建物状況調査が目的なら「既存住宅状況調査」にチェックし、売る家の都道府県を選んで検索します。瑕疵保険やフラット35の検査も考えているなら、その条件も別に確かめます。[2]
サイトの情報は技術者・事業者の申出によるもので、連絡先や対応可否が最新ではない場合があると案内されています。検索結果は候補探しの入口。現在の資格、対応地域、日程、検査ごとの対応可否は本人・事務所に確認します。
見積書は、床下・屋根裏・報告書を分けて読む
同じ家の住所、構造、築年、床面積、居住中か空き家かを伝えて見積もりを頼みます。そのうえで、基本料金に含む部位、床下や屋根裏への進入の有無、点検口がない場合の扱い、報告書の内容、説明の時間、交通費、追加費用を質問します。
図面、増改築歴、過去の雨漏りや修理の記録も共有しましょう。「安い方」を選ぶ前に、調べられない場所が報告書で分かるか、追加調査を勧める場合の費用が別かを確認すると、後の話し合いに使いやすくなります。
調査済みでも、見えない部分まで保証されるわけではない
国交省の既存住宅インスペクション・ガイドラインが示す基本的な調査は、目視等を中心に現況を把握するものです。壁を壊して内部を全て確認することや、隠れた不具合の不存在の保証とは区別されています。[3]
いま雨漏りがあるなら、原因特定や補修見積もりまで同じ依頼に含むかを確認してください。調査結果を見て補修するか、状態を説明して売るかは、仲介担当者とも相談します。「調査して問題なしと言われたから何も伝えない」とはしないようにしましょう。
候補に送る、見積もり依頼のひな形
依頼前の問い合わせ文(編集部作成)
「__市、__造、築__年、約__㎡の住宅を売却予定です。既存住宅状況調査を希望します。調査担当者の資格と事務所登録、基本料金、床下・屋根裏の確認方法、見られない箇所の記録方法、報告書見本、追加料金、実施可能日と納品日を教えてください。__(雨漏り歴など)があります。原因調査や保険検査は別契約になりますか。」
点検口の周りを空ける、図面を探すなど、当日の準備も予約時に聞いておきます。家の健康診断も、まず「何を調べたいか」を伝えるところからです。
冒頭の手順の図解を大きく見る(条件と詳しい操作は本文を参照)


