契約・引き渡し

実家の解体、「届出は業者任せ」でいい?着工日を決める前の確認

解体を決めた後は、発注者の届出も確認。建設リサイクル法の対象と7日前の期限、業者へ代行を頼む場合に残す書類を整理します。

空き家の入口に置いた作業用ヘルメットと手袋
架空のイメージです。実在の物件・人物・施設・アプリケーションとは関係ありません。

実家は建物を取り壊してから売ることにした。業者の見積りがそろい、ようやく肩の荷が下りそうなところです。あとは工事をお願いすれば、と日程表を開く前に、ひとつ確認しておきたいことがあります。着工前の届出は、誰が出す予定でしょうか。

対象となる解体工事の建設リサイクル法の届出は、発注者側の手続きです。業者に代行を頼むことはできます。任せたつもりの手続きが途中で止まらないよう、提出と控えの受取りまで予定に入れておきましょう。

前年の巡回でも、無届工事への指導があった

国交省は2026年9月30日、建設リサイクルに関する全国一斉パトロールを発表しました。実施期間は10〜11月頃が目安で、自治体によって異なります。建設リサイクル法の遵守状況などを確認する取組です。[1]

同発表に載る前年、2025年10月の実績では、4,919現場に立ち入り、建設部局による指導等は374件。その内訳には、無届工事に関する6件も含まれています。住宅だけの集計ではなく、2026年の巡回結果でもありません。[1]

この件数から個々の業者の対応や全国の違反率は判断できません。ただ、届出の有無が実際に確認されていることは分かります。では、自分の実家の解体も対象になるのでしょうか。巡回の時期とは別に、工事の規模と資材から確かめます。

延べ80平方メートル以上の解体が一つの目安

建設リサイクル法では、コンクリート、木材などの特定建設資材を用いた構造物で、工事の種類に応じた規模を満たす場合に届出が必要です。建築物の解体では、床面積の合計80平方メートル以上が基準になります。[2]

確認するのは土地の面積ではありません。2階建てなら各階を合わせた床面積を資料で確認し、増築や附属建物がある場合も、対象の範囲を業者と窓口へ尋ねてください。「小さな家だから不要」と見た目だけで判断しないことが大切です。

特定建設資材を用いた床面積合計80平方メートル以上の建物解体などの対象工事では、発注者等が着工7日前までに届け出ます。対象の確認、控えの受領、着工日をそろえます。
特定建設資材を用いた床面積合計80平方メートル以上の建物解体などの対象工事では、発注者等が着工7日前までに届け出ます。対象の確認、控えの受領、着工日をそろえます。 図を大きく見る

着工7日前までに、発注者等が届け出る

国交省の案内では、発注者・自主施工者は、工事に着手する7日前までに届け出る必要があります。自治体の受付窓口、提出方法、必要な添付資料を先に確認しましょう。[2]

業者へ代行を頼むなら、見積りや契約の中に届出代行が含まれるか、委任に必要な書類は何か、提出済みの控えをいつ受け取れるかを聞きます。「手続き一式」という表現だけで済ませず、建設リサイクル法の届出が含まれているかを具体的に確かめてください。

書類は、着工前と完了後の両方を残す

同法の手続きでは、受注者から発注者へ分別解体等の計画の書面説明があり、契約書面にも分別解体等に関する事項を記載します。工事後には、リサイクル等の完了について受注者から発注者へ書面で報告する流れです。[2]

契約書、届出の控え、完了報告を一組で保管すると、誰がどこまで進めたかを後から確認できます。建物を取り壊した後の滅失登記や、固定資産税に関する連絡は別の確認事項です。解体の届出だけで売却準備が全部終わるとは考えないようにします。

工期が変わるなら、着工前に相談し直す

買主との引渡しに合わせたい、業者の空きが出たので前倒ししたい。こうした変更が起きたら、届出済みの日程と実際の工期が合っているか、変更手続きの要否を提出先へ確認します。提出したという事実だけで、どんな変更にも対応できるとは限りません。

また、規模が80平方メートル未満でも、別の法令や地域の手続きまで不要になるわけではありません。売却の引渡日から逆算し、届出、工事、完了書類の受領に余裕を持たせます。間に合わないときは、仲介会社にも早めに伝え、日程の調整を相談しましょう。

解体業者へ確認する四つ

対象の床面積と資材/届出の提出者と提出先/控えを受け取る日/着工日と変更時の連絡先。契約前に答えを残し、完了報告を受け取るところまで予定に入れておきます。

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出典・参考資料

  1. 国土交通省・建設リサイクル全国一斉パトロールを実施します(2026-09-30公表)
  2. 国土交通省・建設リサイクル法の対象工事の届出(公表・更新日の表示なし)

情報確認日:2026年10月17日。将来の見方や実践項目は、公開資料を踏まえた編集部の考察・提案です。仮の計算例は本文に条件を記載しています。

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